JANN ロゴ 第28回日本腎不全看護学会学術集会・総会(The 28th Annual Meeting of the Japan Academy of Nephrology Nursing)

ご挨拶

この度、第28回日本腎不全看護学会学術集会を2025年11月29日(土)および30日(日)の両日に、神戸国際会議場にて現地集合型で開催する運びとなりました。今回のテーマは「円(まどか)―腎不全看護の継承と共創」といたしました。このテーマには、これまでの経験を大切にしながら、新たな価値を共に創り上げていくことへの強い思いが込められています。

2025年は、阪神淡路大震災から30年の節目を迎える年でもあります。あの未曾有の災害から、神戸は復興のシンボルとして再び立ち上がり、その過程で多くの人々の絆が深まりました。このような背景を持つ神戸の地で、本学会を開催できることを大変光栄に感じております。

当学会もまた、間もなく30年を迎えます。学会設立前からかかわり、認定制度も定着し、当時のDLN(現在のCKDLN)の皆さんが、本学会を牽引していくようになり、目覚ましい発展を遂げていると実感しています。この期間において、腎不全看護の分野では数多くの変革があり、次世代へとバトンが受け継がれてきました。医療を取り巻く環境が急速に変化する中で、私たち看護師は、他の専門職者と患者さんやそのご家族、地域社会との縁を大切にしながら、看護の質をさらに向上させることが求められています。

今回のテーマ「円(まどか)」は、「とことん語ってみよう!腎不全看護」という思いから、大学で看護師教育や腎不全看護の研究に携わる私と、臨床現場で実際に患者さんと向き合い看護を提供している看護師の皆さんとの対話を通じて生まれました。近年、自然災害や感染症の猛威、国際情勢の悪化、そして様々な殺伐とした事件が相次ぐ中、「円(まどか)」が持つ「おだやかなさま、やすらかなさま、円満」という意味が心に深く響きました。腎不全の治療を受ける患者さん、あるいは治療を選択しない患者さん、そしてそれに関わる看護師や専門職を含む全ての人々が、「おだやかで、円満」な社会で過ごせることを願うばかりです。本学会では、腎不全看護の過去から未来へと繋がる継承を重視しながら、全ての関係者が、円満に、共に新たな価値を創り出す場を提供したいと考えています。

学術集会では、特別講演やシンポジウム、教育講演などを通じて、最新の話題や情報を発信し、腎不全看護における新たな視点と実践を共有する機会を提供いたします。特に、腎不全看護の未来を共に語り合い、新たな価値を創り出すための議論が深まることを期待しています。

第28回日本腎不全看護学会学術集会・総会
大会長 神谷 千鶴